[上空] Unknown : ……………
[上空] ガウマン・ノビル : 「ハサウェイ、態々UGNの管制まで無視した無理な侵入だぞ?あまりこれ以上の騒ぎを立ててくれるなよ」
[上空] Unknown : 「…………」
[上空] ハサウェイ・ノア : 「何、上手くやるさ」
[上空] Unknown : ギュルリと、その巨体が重力を無視してバレルロールを決める
[上空] ハサウェイ・ノア : 「……相手側はこれ以上静かにさせてくれないようだけど?」
[上空] レイモンド・ケイン : 「この侵入だけで大ごとなんだ、自衛以上の交戦行為は控えろ」
[上空] Unknown : その機の瞳が、飛翔する物体を捉える
[上空] Unknown : 自らを猛追する数機の戦闘機を確認したその巨体はクルリと回ってそれに向き直る
[上空] Unknown : 逆さになったそれはそのまま、こちらに飛翔する複数の戦闘機の間を的確に通り抜ける
[上空] Unknown : その巨体に見合わぬ高速で飛び回るそれに、戦闘機は大きく回り向き返して
[上空] Unknown : その機体底面から白く糸を引く飛翔物を放った
[上空] ハサウェイ・ノア : 「……っ」
[上空] ハサウェイ・ノア : 「市街地上空でミサイルだと!?」
[上空] レイモンド・ケイン : 「市街地の上でミサイルか、自衛隊ならこんな無茶はやるまい」
[上空] ハサウェイ・ノア : 「ああ、なら」
[上空] : 爆炎と共に、その機体は視界から消える
[上空] : 煙が晴れた時、そこには
[上空] Unknown : 光り輝く壁を纏ったその巨体が、健在
[上空] ハサウェイ・ノア : 「無理矢理に降下する。ドッグファイトには付き合っていられない」
[上空] レイモンド・ケイン : 「つっても、開けたところは」
[上空] ハサウェイ・ノア : 「……あの公園に降りる!MS一機ならギリ収まる!」
[上空] Unknown : なお猛追する相手を振り切ろうと
[上空] Unknown : 赤い光を放ちながら、空をジグザグと、Unknown flying objectのように飛翔する
[上空] : 「コントロール。ターゲットは高度を低下。射線に市街が入ります」
[上空] : 「構わん。火器の使用を許可する」
[上空] Unknown : その巨体に、白い糸が炎と共に絡み付こうとする
[上空] ハサウェイ・ノア : 「……お前たち、正気か……ッ!」
[上空] Unknown : 巨体を逸れた飛翔物が街に爆炎を上げる
[上空] ハサウェイ・ノア : 「……っく、ガウマン!」
[上空] Unknown : 猛追する戦闘機と巨体の間を遮るように、もう一体の飛翔物が横切る
[上空] Unknown(2) : 『……ハサウェイ!引き付けるにも限度があるぞ!』
[上空] ハサウェイ・ノア : 「……分かってる!着陸を強行する!」
[上空] : 「不明な飛行物体が更に二機。人型22m級のビークルとそれの飛行補助と思われる航空機です」
[上空] : 『エコー-3、エコー-4は新たなアンノウンの追跡。エコー-1、エコー-2は引き続き侵入機の追撃を続けろ』
[上空] ハサウェイ・ノア : 「……しつこいっ」
[上空] Unknown : 巨体はクルリと、空中で宙返りを行う
[上空] ハサウェイ・ノア : 「……すまないレイモンド。騒ぎを広げる」
[上空] レイモンド・ケイン : 「……っはぁ!?」
[上空] Unknown : 縦に回ったその機体はその脚を伸ばし
[上空]
Unknown :
通り抜けざまに
戦闘機の羽根を蹴り折る
[上空] Unknown : 落下する鉄塊を見下げ、視界の端に入るミサイルがピピピと警告を鳴らす
[上空] Unknown : 巻き起こる爆炎
[上空] Unknown : 急速に掻き分けて、その先に居る原因に回り込む
[上空] Unknown : 脚を振り上げて、その鉄塊に踵を叩きつける
[上空] Unknown : 爆炎を上げて市街へと落下していくそれを早々に視界から外し、着陸地点を確認する
[上空] ハサウェイ・ノア : 「……報告。現地戦力の戦闘機を二機撃墜。後始末は、酷な話だが任せる」
[上空] Unknown : それは姿勢を整えて、公園へと高度を下ろす
[上空] : ヒュン ヒュン
[上空] Unknown(2) : 『ハサウェイは、着地したか』
[上空] Unknown(2) : ゆらりと背後を見て
[上空] Unknown(2) : 『ようやくか。仕掛けが遅いな、ユニバーサル・ガーディアンズ・ネットワークも』
[上空] Unknown(2) : 飛翔物をギロリと睨みつけて
[上空] Unknown(2) : 『のらりくらりと遊んでいこうぜ、レネゲイドのガラクタ人形』
[上空]
Unknown(2) :
自らを追跡する二機の人型ヴィークルを見据える。
恐らくしっかりとした機体ではない。
即席で作られたモーフィング製のモノだろうか。
[上空] Unknown(2) : 『……モビルスーツの、敵じゃねえな』
[上空] Unknown(2) : ギャルセゾンに搭乗したまま、ビームライフルを構える
[上空] Unknown(2) : 『お前たちもソレ、隠したいんだろ?鬼ごっこに付き合いやがれ』
[上空]
Unknown(2) :
海上の方向に向かって、それは加速する
無論、それを追う二機も同様にせざるを得ない
[上空] キルケー :
[上空] キルケー :
[上空] キルケー : 「さあて、何処に行こうか」
[上空] 歳納京子 : 「うーーーーわあああーーー」
[上空]
歳納京子 :
体を突き抜ける風、風。
寒いし、怖い!
[上空] キルケー : 「エフェクトで隠してるから安心したまえ~」
[上空] 歳納京子 : 「どこにって…どこ…?」
[上空] キルケー : 「えーっと」
[上空] 歳納京子 : 「そりゃあんし……出来るかなあ…?」
[上空] キルケー : 「さぁ…?」
[上空] キルケー : 「支部でも、家でも」
[上空] 歳納京子 : 「ぬぇえ……?」
[上空] キルケー : 「好きなとこに行くが」
[上空]
歳納京子 :
「う、ううむう……」
抱えられ、飛んで行っていくままに。
[上空] 歳納京子 : …ふと、思いついたのは。
[上空] 歳納京子 : 「……家、かあ…」
[上空] 歳納京子 : 「…キルケーの家ってどんなのなの?」
[上空] キルケー : 「えっ」
[上空] キルケー : 「えーっと」
[上空] キルケー : 「孤島に、建ててる感じかなぁ」
[上空] 歳納京子 : 「ことう」
[上空] 歳納京子 : 「え、どうやってここまで…?」
[上空] 歳納京子 : ここは八王子なので、日本中どこかにある孤島よりも普通に遠いはずだ。
[上空] キルケー : 「ん~」
[上空] キルケー : 「魔女何で普通になんとかしてるけど…」
[上空] 歳納京子 : 「まじょこわい」
[上空] 歳納京子 : え、大魔女ってそうやって…どうにかできるものなの…?
[上空] キルケー : 「アイアイエーって知ってるかい?」
[上空] キルケー : 「ギリシャの方の島でね、そこに住んでる」
[上空] 歳納京子 : 「…知らない!」
[上空] 歳納京子 : 「……ギリシャ…って、凄い遠いなあ…!」
[上空] キルケー : 「まぁそう思うかもね」
[上空] 歳納京子 : …えーっと…イギリスの近く?
[上空] 歳納京子 : とか、ぼんやりとした世界地図をイメージしながら。
[上空] キルケー : 「ふふ、正解は…」
[上空] キルケー : 「"どこ"でもいいのさ」
[上空] 歳納京子 : 「……え?」
[上空] 歳納京子 : 「”どこ”でもいいだなんて…そんな大雑把な」
[上空] キルケー : 「アイアイエー」
[上空] 歳納京子 : お家…だろうに。
[上空] キルケー : 「そこはね、厳密には本当にある島じゃない」
[上空] キルケー : 「君らの仕事で良く関わるだろ?」
[上空] キルケー : 「"オリジン:レジェンド"」
[上空] 歳納京子 : 「……ふむふむ」
[上空] 歳納京子 : 「…あ」
[上空] キルケー : 「私も、島も」
[上空] キルケー : 「そういう事さ」
[上空]
歳納京子 :
よく聞く名だ。
レネゲイドビーイング。その一つの在り方、元のモノ。
[上空] 歳納京子 : 「…だから…どこでもいい、って…ことなのか…?」
[上空] キルケー : 「ああ」
[上空] キルケー : 「そこに魔女がいるのなら、アイアイエーさ」
[上空] キルケー : 「そして」
[上空] キルケー : 「望めばそこにアイアイエーが"ある"」
[上空] 歳納京子 : 「ははあ~………」
[上空] キルケー : 《オリジン:レジェンド》
[上空] キルケー : すう、と
[上空] 歳納京子 : ぽん、と手を叩き。
[上空] キルケー : 島のような物が、おぼろげに二人の下に見える
[上空] 歳納京子 : 「じゃあどこでも家が出てべん……うおおっ!?」
[上空] 歳納京子 : いつのまにか、見えたソレに。
[上空] キルケー : 「そゆこと~」
[上空] キルケー : ふっと、着地
[上空] 歳納京子 : あたふたと体が揺れる、驚愕の余り。
[上空] 歳納京子 : 「お、おおおぉぉぉ……」
[上空] 歳納京子 : スタっと着地。
[上空] キルケー : 「ようこそ、アイアイエーへ」
[上空] 歳納京子 : 「あ、ええっと……おじゃま…します?」
[上空] キルケー : 緑溢れる島、真ん中には神殿のようなもの
[上空] キルケー : 「ええと…」
[上空] キルケー : 「上がる気?」
[上空] 歳納京子 : 「……え…」
[上空] 歳納京子 : 「だってここまで来たし…」
[上空] 歳納京子 : 「あと……まあなんだろ」
[上空] 歳納京子 : 「大魔女のお家、見てみたくもある!」
[上空] キルケー : 「そうかい」
[上空] キルケー : 「じゃあ、ようこそ」
[上空] キルケー : そのまま、厳かな神殿の中へ
[上空]
歳納京子 :
…興味、キルケーへの。
今までならこんな感情、思い浮かばなかっただろうけど。
[上空] 歳納京子 : …今日はまあ、元旦だしね。
[上空] 歳納京子 : 「お邪魔します……」
[上空] 歳納京子 : そのまま、中へと入っていく。
[上空] キルケー : その中は、煌びやかな場所、怪しげな工房
[上空] キルケー : "魔女の住処"
[上空] キルケー : 「…まぁ」
[上空]
キルケー :
「見かけだけなのだけども」
肩を竦める
[上空] 歳納京子 : 「おお~~!」
[上空] 歳納京子 : 見たことない物ばかりで、目を輝かせて。
[上空]
歳納京子 :
「あ、そうなの?」
工房の一つ、怪しげな道具に手を触れてみると。
[上空] キルケー : 見かけだけだ、その感触は素材と見合わない
[上空] キルケー : 「…まぁだって」
[上空] 歳納京子 : なんかヘンな感覚。
[上空] 歳納京子 : もにもに…うわあなんだこれ。
[上空] 歳納京子 : 「…ほうほう」
[上空] キルケー : 「私は要は"大魔女キルケー"というテクストを積み上げた陽炎で」
[上空] キルケー : 「本当に大魔女キルケーとして生まれて歴史を刻んだわけじゃない」
[上空] 歳納京子 : 「…だから、この家もそうだってこと?」
[上空] キルケー : 「ああ」
[上空] キルケー : 「アイアイエーは何処にあるか諸説あるわけで、ぶっちゃけ実際存在するはずもないんだ」
[上空] 歳納京子 : ふわふわと、それこそ陽炎のように揺らめく”影”を見ながら。
[上空] キルケー : 「私もこの島も」
[上空] キルケー : 「この世界という"紙"にレネゲイドという"光"で映し出された」
[上空] キルケー : 「一つの"影絵"さ」
[上空] 歳納京子 : 「ははあ、なるほどねえ…」
[上空]
歳納京子 :
…難しい、わけでもないが。
取りあえず言えることは。
[上空] 歳納京子 : キルケーの翼に触れてみる。
[上空] キルケー : 「おっと」
[上空] キルケー : 擽ったそうに
[上空] 歳納京子 : 「……ふわふわだなあ!これ!」
[上空]
歳納京子 :
もふもふもふ、触れていた後。
ハッと、我に帰り。
[上空] キルケー : 「ふふ、そうだろ」
[上空] 歳納京子 : 「……あーそじゃなくて、触れる影ってのもあるもんなのかねえ」
[上空] キルケー : 「まぁ、だって」
[上空] キルケー : 「"君ら"も見てるだろ?」
[上空] キルケー : 「君が見て、君が考えて」
[上空] キルケー : 「影に色を付ける」
[上空] キルケー : 「オリジン:レジェンドはそういう存在さ」
[上空] キルケー : 「君がイメージする私が、そこに居るわけだ」
[上空] 歳納京子 : 「……なるほどなるほど」
[上空] 歳納京子 : もふもふ。
[上空] 歳納京子 : 「じゃあ、私以外にはキルケーはまた別に見えてると」
[上空] キルケー : 「そうでもない」
[上空] キルケー : 「絵の方が、どう見えたいか選ぶ権利もあると思わないかい?」
[上空] 歳納京子 : 「ほおお~…」
[上空] キルケー : 「君のイメージだけで姿変えたら君のキルケーとかそういう別のレジェンドだぞ」
[上空] 歳納京子 : 「それはそう」
[上空] 歳納京子 : 「まあでも~、その方が」
[上空] キルケー : 「ふむ」
[上空] 歳納京子 : 「……キルケーを変えてやったなら、嬉しいけど!」
[上空] キルケー : 「…良い事を教えてあげよう」
[上空] 歳納京子 : …………。
[上空]
キルケー :
「私の羽に"触れる"怖いもの知らずは君くらいさ」
けらけら笑う
[上空] 歳納京子 : ……ほら、これはあれだ。うん。
[上空]
歳納京子 :
復讐心とかで。
私がキルケーを変えられたなら、復讐成功とか、そう言う奴…
[上空] 歳納京子 : 「……ぬがっ」
[上空] キルケー : 「"触り心地"はどうだったかな?」
[上空]
キルケー :
「想像した通り、だったかな」
くくく、笑い
[上空]
歳納京子 :
「へ、へへっへ~~ん、そうでしょそうでしょ」
なんだか気恥ずかしくなって、目をそらして。
[上空] 歳納京子 : 「ぬ」
[上空] 歳納京子 : 「ううむ」
[上空] 歳納京子 : 「……思ったよりも」
[上空] キルケー : 「ああ」
[上空] 歳納京子 : 「柔らかかった」
[上空] 歳納京子 : ……ぼそり、逸らしたまま呟いて。
[上空] キルケー : 「さぁて」
[上空] キルケー : 「そろそろ帰ろうか」
[上空] キルケー : 翼をばさり
[上空] キルケー : かぶせて、視線を覆い
[上空] 歳納京子 : 「……あうう、はーい」
[上空] 歳納京子 : そのまま、被せられて。
[上空] キルケー : 地面が消えて
[上空] キルケー : ふわりとした感覚の後、翼を広げれば
[上空] キルケー : 少し明るむ、空の中
[上空] 歳納京子 : 見えていた”影絵”も、視界が見えずとはわからない。
[上空] 歳納京子 : 翼の隙間から、差し込む。
[上空] 歳納京子 : 光が。
[上空] 歳納京子 : 「あー……日の出かな」
[上空] キルケー : 「だねぇ」
[上空] キルケー : 雲の上、雲海より顔を出す
[上空] 歳納京子 : ”影”は、光に当てられても消ゆることなく。
[上空] 歳納京子 : 「…今日だけ、って昨日は言ったけど…日をまたいだなら、うん」
[上空] 歳納京子 : 「…今日も停戦ってことで…」
[上空] キルケー : 「君と喧嘩してたっけねぇ」
[上空] 歳納京子 : 「ぐううう……」
[上空] 歳納京子 : 「わ、私が気にするの!」
[上空] キルケー : 「そうかい」
[上空] キルケー : 「でも」
[上空] キルケー : 「昔の仲間と喧嘩なんて、私も気にするけどな」
[上空] 歳納京子 : 「……………」
[上空] 歳納京子 : そうだ、これは復讐心。
[上空] 歳納京子 : 正月気分だけ、今だけは違う……
[上空] 歳納京子 : ………。
[上空] 歳納京子 : 「……あー、そうだね」
[上空] 歳納京子 : 翼を押しのけ、日の出を見つめ。
[上空] 歳納京子 : 《写真記憶》
[上空] 歳納京子 : 「私とキルケーは…」
[上空]
歳納京子 :
ロイス感情変更 固定化
キルケー 〇仲間/復讐心…?
[上空] 歳納京子 : 「仲間だよ」
[上空] キルケー : 「…そりゃあいい」
[上空] 歳納京子 : ぶっきらぼうに、そう言って。
[上空] キルケー : 「選ぶ色にしちゃ」
[上空] キルケー : 「上出来だよね」
[上空] キルケー : そう言って
[上空] キルケー : 同じく、ゆったり日の出を眺めてから
[上空] キルケー : 「…さ」
[上空] キルケー : 「そろそろ降りようか」
[上空] 歳納京子 : 「…うん」
[上空] 歳納京子 : 素直にこくりと頷いて。
[上空] キルケー : くるり
[上空] キルケー : 翼を丸めて
[上空] キルケー : 雲の中、ぽつりと落ちる
[上空] キルケー : 「…何処に行きたい?」
[上空] 歳納京子 : 「…そうだなあ」
[上空] 歳納京子 : 「────────」
[上空] 歳納京子 : 強風吹き荒れる中。
[上空] キルケー : "わかったよ"
[上空] 歳納京子 : 二人しかいないその大空の中、聞こえたのは勿論二人だけ。
[上空] 歳納京子 : だから、この先は。
[上空] 歳納京子 : 語られることのない、”陽炎”だ。
[上空] キルケー : 雲の中、鷹の翼が
[上空] キルケー : ふわりと、舞って行った
[上空] キルケー :
[上空] キルケー :